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やる気を出す方法の科学的ガイド

このページはジェームズ・クリア氏の「やる気を出し、継続するための科学的ガイドの日本語訳です。

このページでは、やる気に関する数ある科学的な研究の中から最も有用で、最良のアイデアを掲載しています。

やる気はとても大切で、扱いが難しい存在です。時には、やる気を出すのが実に簡単で、良い循環が繰り返す時もあります。 しかし、別の場面では、やる気を得る方法がほとんど分からなくなり、先延ばしの悪循環に閉じ込められてしまう時もあります。

自分のやる気が無くなっている時や、家族・友人・同僚がやる気を無くしてしまっているなら、このページにはあなたが知るべき情報がすべて網羅されています。

このページは単なるやる気を出すための精神論や根性論ではありません。その代わりに、一番最初にやる気を出す方法と、そのやる気を長期的に維持するための方法の背後にある科学的な現象を紹介します。


  1. I.やる気の存在
  2. やる気についての誤解
  3. II.やる気を出して行動を起こす方法
  4. どんな事にもやる気を引き出す最良の方法
  5. やる気を習慣にする方法
  6. III.長期的にやる気を維持する方法
  7. ゴルディロックス・ルール
  8. やる気のピークに到達する方法
  9. やる気が衰えたときに何をすべきか

I.やる気の存在

やる気とはなんでしょうか?

アメリカの著名な作家スティーヴン・プレスフィールド氏の著書「やりとげる力 - The WAR of ART」の一説にはこう書かれています。

何かをしている時の苦労よりも、何もしていない時の苦しみは大きい - “ At some point, the pain of not doing it becomes greater than the pain of doing it. ”

これはやる気の本質について触れています。

あらゆる行動にはコストが伴うのですが、何もしていない時が一番辛いのです。

つまり、やる気とは「無いと地獄の苦しみを味わうもの」です。


やる気についての誤解

[やる気についての誤解に関しては「やる気スイッチ」のページに移動しました。]


II.やる気を出して行動を起こす方法

多くの人々が、やる気を出すのに苦労しています。

望む目標を達成するためにやる気が必要になるのですが、やる気を出す以外のことにあまりにも多く時間とエネルギーを浪費してしまっているためです。

やる気を出しやすくしたいのであれば、行動の初期段階を自動化する事で対応ができます。

例えば、何かを書くことについての会話の中で、私の友人で作家のサラ・ペックは 「多くの人が、いつ、次の文章を書くのかはっきりしていないので、結局、何も書かないままでいるのです。」と言っています。

会社をマネジメントしている人、芸術作品を創造している人、良い習慣を構築している人は、同じことを言うでしょう。

  • あなたがいつもトレーニングしている時間が無いと思っているなら毎朝起きた時にこう思ったらどうでしょう「今日は運動したい気がする
  • 会社に行っても次にやる事が決まっていないならみんな何もしなくなります
  • あなたが習慣的に何かをやる時間を決めていない場合は「やる気がほしい」とずっと言っていることになるでしょう

英紙ガーディアンのある記事では、この事を「もしあなたがいつどこでやるかを決めなかったら、あなたの能力を妨げることになるだろう。」と言って状況をまとめました。

スケジュールを設定することは簡単です。時間と場所を設定することによって自動で意思決定を行うことができます。 あなたのやる気に関係なく、実行できる可能性が高くなります。 この習慣付けによってやる気を出す方法についての多くの研究研究があります。

やる気についていえば何か霊感的なひらめきがあなたを刺激して、突然やる気が出るわけではありません。

これは プロとアマチュアの違いです。アマチュアは、ひらめきや意欲を感じるまで待ちます

プロフェッショナルはスケジュールを設定し、それに固執します


どんな事にもやる気を引き出す最良の方法

世界でもっとも多くの作品を生み出すアーティストは、どうやって彼ら自身にやる気付けているでしょうか? 彼らはスケジュールを設定するだけでなく、儀式を構築しています。

トゥイラ・タープは、現代の偉大なダンサーや振付家の一人として広く認められています。 彼女のベストセラーのThe Creative Habit(オーディオブック)は、儀式やお祈りが果たす役割について教えてくれます。

私は儀式で毎日を始める。
午前5時30分に目を覚まして、体操服を着て、レッグウォーマー、スウェットシャツ、帽子をかぶる。
マンハッタンの家の外を歩いてタクシーを呼んで、運転手に91番通り1番街のジムに連れて行ってくれるように伝える。
そこで2時間運動をする。
ストレッチとウェイトトレーニングをして身体を目覚めさせる。
儀式とはタクシーのこと。
運転手にどこに行ってほしいかを告げる瞬間、私は儀式を完了させるの。
それは簡単。
毎朝それを繰り返すことで習慣化して簡単に行える。
それは私が運動をしなかったり、別の方法に変えようとする可能性を減らしてくれる。
それは今や私の手札の一つになって、もはや考えるべきことではなくなくなったの。

他の多くの有名なクリエイターにも儀式があります。

「天才たちの日課―クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々」の著者メイソン・カリーは、世界の偉大なアーティストの多くが一貫したスケジュールに従っていると言います。

  • マヤ・アンジェロウは地元のホテルの部屋を借りて、そこに行って詩を書きました。 彼女は午前6時30分に到着し、午後2時に詩を書いてから家に帰って編纂をしました。 彼女は決してホテルで寝泊まりしませんでした。
  • ピューリッツァー賞を受賞した作家のマイケル・シェイボンは、午後10時から午前3時までと書く時間を決めて、週5回書いています。
  • 村上春樹は午前4時に起床し、5時間執筆して、ランニングしています。

トップクリエイティブの仕事は、モチベーションやインスピレーションに依存するのではなく、むしろ一貫したパターンとルーチンに従います。 モチベーションを得るために儀式とルーチンを適用する方法の例をいくつか紹介します。

  • 毎日決まった時間に決まった量の運動をする:ジムで同じウォームアップルーチンを使用します
  • 自分だけの儀式をする: あなたが業務を行う前に開始の合図となる儀式を創作してください
  • ストレスフリーでスタート: 朝の瞑想儀式を5分間だけ行ってみてください
  • 良い眠り: 寝る前に入眠用のストレッチや儀式を行ってみてください

儀式の力が強力なのは、行動を開始するのにためらう必要がなくなることです。 儀式はあなたがやりたいことをより簡単に始められることを意味します。良い儀式を構築することで、何かをやるか、やらないかを判断する必要がなくなります。

まず何をすべきか?いつするべきか?どのようにするべきか?ほとんどの人は、何をするにも、導入部分で判断すべきことが多すぎると感じていて、結局やる気が起きません。

儀式の力を借りて行動を簡単かつ自動的に開始しましょう。


やる気を習慣にする方法

より良い儀式を作り、やる気を習慣にするためには、3つの簡単なステップがあります。

ステップ1:業務前の準備動作を行うことによって、あなたが逆らうことができないほど簡単にタスクを始めることができます。
たとえば、私の業務前の儀式は、水を飲むことから始まります。 また、シューズを履くことによって、私のウエイトリフティングが始まります。 これらのことはとても簡単ですが、私はそれらの後に続くタスクに拒否することができなくなります
どのタスクの中でも最も重要な部分は開始の部分です。 初めにやる気が出ない場合でも、開始した後にはやる気が出ることが分かっています。 だから、あなたの開始前の儀式は簡単に始める必要があります。

ステップ2:あなたの儀式は、あなたの次の目標と結びつけて進めるべきです。
精神的なやる気の欠如は、しばしば、身体的な動きと結びついています。 落ち込んでいる、退屈している、または意欲を失っているときのあなたの身体状態を想像してください。 あなたはあまり動かない。 たぶんあなたは水のように落ちて、ゆっくりベッドに溶け込んでいくでしょう。
反対も真です。あなたが身体的に動いて活動しているなら、あなたは精神的にも活気づいていると感じるはずです。 たとえば、踊っているときに活気を感じなかったり、目を覚ましていなかったり、活力を感じなかったりすることはほとんど不可能です。
あなたのルーチンはできるだけ簡単に開始して、徐々に物理的な動きに移行するはずです。 あなたの心とあなたの活気は、あなたの肉体的な動きに従います。 例えば、あなたの目標が何かを書くことであれば、あなたの儀式は書くことへの物理的な行為に近づける必要があります。

ステップ3:毎回同じパターンに常に従う必要があります。
儀式の主な役割は、特定のタスクを実行する前に常に実行される一連のイベントを構築することです。
あなたの準備動作は、「これは私が○○する前に起こること」と身体の中で認識されます。 そして、この準備動作はあなたの動作と結びつくようになり、単に儀式を実行するだけで、実行する準備が整った精神状態に引き込まれます。 あなたはやる気を出す方法を知る必要はもはやありません。 あなたはあなたの儀式を開始するだけで良いのです。
業務前の儀式は、たとえそれが動機付けられていなくても、あなたの習慣をスタートさせるトリガーとなります。

以上の3つは重要なことです。

あなたのやる気がないときは、次に何をすべきかを判断することが多すぎる状態と言えます。

しかし、儀式は、あなたが次に何をすべきかを正確に知っているので、その問題を解決します。

議論や意思決定は必要ありません。もはや、やる気がどうこうは問題ではなくなります。あなたはちょうどそのルーチンのパターンに従うだけでよいのです。


III.長期的にやる気を維持する方法

ここまで、より簡単にやる気を出し、仕事を始めるための方法をいくつか取り上げました。 長期的にやる気を維持するのはどうでしょうか?どのようにやる気を維持することができるでしょうか?


ゴルディロックス・ルール

あなたがテニスをしていると想像してみてください。 あなたが4歳の子供と真剣に試合をしてみると、すぐに退屈になるでしょう。 マッチはあまりにも簡単です。

それとは反対に、ロジャー・フェデラーセリーナ・ウィリアムズのようなプロテニス選手との真剣な試合をしようとすると、 別の理由で自分自身に失望することになります。試合はあまりにも困難です。

そして、あなたと同じような人との真剣なテニスの試合を想像してみてください。 ゲームが進行するにつれ、あなたはいくつかのポイントを獲得し、いくつかのポイントを失う。 試合に勝つチャンスはあります、色々チャレンジしてみるとよいでしょう。 あなたの焦点は狭まり、他の考えは消え去り、今あるタスクに集中することができます。

あなたが直面している課題を、「可能な」状態にすることです。 勝利は保証されていませんが、可能です。 科学のような仕事は、私たちを長期的にやる気づけてくれることが発見されています。 人類は挑戦を好み、最適な難易度のゾーン内にいるときに、挑戦を歓迎します。

あなたの現在の能力を大幅に下回るタスクは退屈です。あなたの現在の能力をはるかに上回る作業は落胆します。 しかし、成功と失敗の境界線上にあるタスクは、人間の脳を非常にやる気づけています。続ければ現在のレベルをはるかに上回るスキルを習得することにもなります。 私たちはこの現象をゴルディロックス・ルールと呼びます。

ゴルディロックス・ルールは、現在の能力の限界に直面しているタスクに取り組んでいるとき、人間は最高にやる気を出すと述べています。 それほど難しくない。それほど簡単ではありません。ちょうどいいです。

ゴルディロックス・ルールを遵守するタスクの作業は、長期的な動機づけを維持するための鍵の1つです。 あなたが仕事にやる気を感じられないと思ったら、それは簡単すぎて退屈な領域か、または非常に困難な領域だと認識していることが多いです。 あなたは、あなたが挑戦していると感じられて、あなたの能力ギリギリ境界線上にあなたのタスクを置く方法を見つける必要があります。


やる気のピークに到達する方法

この最高のパフォーマンスの素晴らしいゾーンに到達することは、フローと呼ばれることもあります。 フローとは、アスリートやパフォーマーが「ゾーン内」にいるときに経験するものです。 フローは、手近な仕事に集中しているときに他のやっかいな考えが消えていく経験する精神状態です。

多くの経験の中で、私たちはやる気のピークの状態としてフローを見つけることができます。 研究者が見つけた1つの要因は、前述のゴルディロックス・ルールに従っているかどうかです。 あなたが最適な難易度の課題に取り組んでいるなら、あなたはやる気づけられるだけでなく、フロー状態を経験するでしょう。

心理学者のギルバート・ブリムは「人間の幸福の重要な源の一つは、適切なレベルの難易度で仕事をしていることである。」と述べています。 しかし、このような最高のパフォーマンスに到達するには、難易度の適切な課題に取り組むだけでなく、進捗状況を把握している必要があります。

心理学者ジョナサン・ハイトは フロー状態に到達するための鍵の一つは、「各段階で行動している事について、すぐにフィードバックを得られる状態にあること」と述べています。

したがって、測定やる気の重要な要素であると言えるでしょう。

より正確に言えば、最適な課題に直面し、その課題に向かって進んでいることについての即時のフィードバックを受け取ることは、やる気のピークに達することができる最も重要な二つの要素です。


やる気が衰えたときに何をすべきか

あるタスクを実行しているあなたのやる気は、必然的にいつか低下する時がきます。

やる気が低下するとどうなりますか?普通は中断したい気持ちになります。

こういう事態になった時、あなたの中に浮かぶすべての考えを、命令ではなく提案として捉えてください。 今、私がこれを書いているとき、私の心は私が疲れていることを伝えてきます。 それは私が中断することを示唆している。 私は、より簡単な道を選ぶことを提案してきています。 しかし、私がしばらく中断をしたら、私自身からの新しい提案が出されることが分かります。

私の心は、このタスクがいったん完成すればとても良い気分になることを示唆しています。

また、私が長年をかけて構築しているスケジュールに固執せよ、というアイデンティティを尊重することを提案してきます。 そして、私が気分が悪くても、この仕事を終える能力があることを示唆しています。 これらの提案のいずれも命令ではないことを忘れないでください。 これらは単なる選択肢です。 私は、どの選択するかを選択する権限を持っています。

あなたの通常の一日または一週間の時間と比べて、実行するほとんどの習慣はすぐに終了します。 あなたのトレーニングは1時間か2時間で終了します。 明日の午前中までに、仕事の報告書の入力は完了です。

というのも、過去いかなる時代に比べて人生は簡単なものになっています。

もし2000年前に、自分の食べ物を採集したり自分の家を作らなかったらあなたはすぐに死んでしまうでしょう。 今日、私たちはiPhoneの充電器を忘れてしまったことに深刻なショックを受けるような生活をしています。

楽観的な信条を常に持ちしましょう。 人生は概ね良いものですし、不快感はいつも一時的です。 不快感のこの瞬間に一歩足を踏み入れて進み、あなたを強くしましょう。 あなたは良い仕事をすることができて、決して後悔することはないでしょう。

セオドア・ルーズベルトは、 「 人生のご褒美の中でも一番素晴らしいのは、やる価値のある仕事がみつけられて、一生懸命に働ける事である。 - Far and away the best prize that life has to offer is the chance to work hard at work worth doing. 」と言いました。 しばしば、私たちは価値ある仕事で、仕事をしたいと思うことが多いようです。 私たちは、仕事を行い、尊敬されたいと思っていますが、仕事を通して過度な苦労したくはありません。 私たちは、腹がへこんで、腕が強くなることを望みますが、ハードな運動をしたいとは思いません。 我々は最終的な結果を望んでいますが、それに先立つ失敗は望んでいません。 我々はダイヤモンドを望んでいますが、きれいに研磨するのは別の人がやってほしいと思っています。 誰でも金メダルがほしいと思っています。でもオリンピック選手になる訓練をしたい人はほとんどいません。 しかし、私たちの抵抗にもかかわらず、ハードワークを行った後に後悔をするようなことは決してありません。 始めるのが大変だった日がありましたが、いつも終える価値がありました。 時には、つまらない事でさえ、しっかりと行われた仕事は、祝う価値のある勝利です。 これが人生です。

人生は、気晴らしの容易さに与する事と、規律のために痛みを克服する事との間の一定のバランスです。

私たちの生活とアイデンティティがこの微妙なバランスで定義されていると言っても過言ではありません。

人生とは何ですか、もしそうではないとしても、何十万という日々の戦いと、休むか、休みを乗り越えるかの小さな決断の和ではないでしょうか?

あなたが仕事をする気がしないこの瞬間?

これは無駄な瞬間ではありません。

人生にリハーサルはありません。 この瞬間は他の瞬間と同じくらいあなたの人生です。あなたが誇りに思えるように過ごしてください。

私はあなたがこのやる気についての短いガイドを読んで、ためになったと思ってくれることを願っています。

ジェームズ・クリア

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